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June 15, 2005

ITコラム第7回「デザインセンスよりもアクセシビリティ」をヒューマンリソシアホームページにて公開(6/15)

既報「ヒューマンリソシアホームページにてコラム「ITコンサルタントが語る必要スキル」を連載開始(12/13)」の通り、前職の頃からつきあいのあった人材派遣、正社員紹介の会社である「ヒューマンリソシア」のホームページにおいて、2004年12月1日にオープンしましたテクニカルサイトで、コラムを連載しています。
「求められるスキル・資格とその実情~ システム分析から運用まで ~」というテーマで、私のソフトウェア開発企業でのエンジニア、プロジェクトマネージャ、採用担当者などの経験をベースに、昨今の情報を盛り込んでいくことで、今、求められているスキル・資格とその実情を、毎回テーマを決めて述べてみたいという趣向です。
先日、その第7回「デザインセンスよりもアクセシビリティ」が公開となりました。今回も私自身の経験を織り交ぜながら、私が常々考えていることである、
・デザインセンスばかりに気を取られて、決して読みやすいとはいえないホームページを放置している企業は、現在でも少なくない
・読みやすさや利用しやすさの基準が無いため、作成者の能力や努力が正当に評価されていない
・これらに対して、Webアクセシビリティ規格がどの程度の効果があるか
ということを、じっくりと述べてみました。
下記にてお読みください。

「ITコンサルタントが語る必要スキル - ヒューマンリソシア」
http://resocia.jp/tech/column_it/index.html

※ 2014/7 追記 上記サイトの移転再編に伴い、このコラムにアクセスできない状態が続いていますので、このブログに本文を掲載することにしました。なお、資格名などは掲載当時のものであることをご了承ください。

第7回 デザインセンスよりもアクセシビリティ
  1990年代なかばからの10数年において、インターネットが日本の企業文化に与えたもっとも大きな影響は「ホームページ」であったと私は思っています。当初は「コンピュータに強い(?)企業」のシンボルとも言われた企業ホームページは、あっという間に広まってゆき、現在では、自社のホームページを持たない上場企業はほとんど無いと言っていいでしょう。
 しかし、拡大のスピードが速かったせいもあって、当初は「とりあえず作ってみた」「制作者(会社)の言いなりに任せた」ということが明らかな企業ホームページも多々ありました。例えば、真っ黒な背景に白い文字が並ぶ、アダルト系サイトと見間違うようなデザインのページにプレスリリースを掲載したり、トップページに巨大なグラフィックやアニメーションを貼り付けたりして、訪問者の不評を買う場合などです。
  その後、多くのグラフィックデザイナーの努力や、利用者の視点に立脚したホームページ作成を目指す担当者の増加によって、センスの良い、しかも読みやすい、利用しやすい企業ホームページが増えてきました。しかし、デザインセンスばかりに気を取られて、決して読みやすいとはいえないホームページを放置している企業は、現在でも少なくありませんし、読みやすさや利用しやすさの基準が無いため、作成者の能力や努力が正当に評価されていない傾向は否定できません。

 そんな状況に大きな影響を与える要素が登場しました。ホームページに関する標準化を進める団体であるW3Cが勧告した「Webコンテンツ・アクセシビリティに関する指針」と、2004年にJISにおいて策定された「WebアクセシビリティJIS規格」こと「JIS-X8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針 第3部 ウェブコンテンツ」です。

  アクセシビリティとは「受け入れられやすさの度合い」です。例えば、弱視の人や老眼の人にとっては、フォントの大きさのみならず色合いについても、読みやすくできることが望まれます。また、視力の弱さからホームページを読み上げるソフトを用いている人の場合、このソフトに適した記述方法やデザイン、レイアウトが求められます。これらの 実現度合いがWebアクセシビリティであり、企業ホームページにおいて、絶対に無視できない重要なテーマの一つになっています。

 Webアクセシビリティに関する指針や規格に準拠し、アクセシビリティに明確に配慮することは、「情報弱者」に配慮する企業であることのアピールにもつながることから、多くの企業の関心を集めています。また、この規格への準拠は、間接的に検索可能性のアップにもつながりますので、SEO(サーチエンジンによる検索性アップの為の最適化)の効果もあると言われています。
  考えてみれば、Webアクセシビリティに関する指針や規格によって「利用者への配慮」の基準が明文化されたわけですから、ルールをきちんと守るだけで、「よいインタフェース」と評価されることになるのです。企業の経営者にとって、これほど楽なことはありません。

 しかし、開発者や技術者にとっては、そう簡単ではありません。その理由は、アクセシビリティ向上のために、具体的に何をどうすればよいのかの検討が途上であることにあります。実際のところ、「イメージに代替テキストをつけさえすればOK」という安易な対策で十分だという誤解すらあるため、十分に時間や手間を取れないこともあります。また、アクセシビリティへの対応が難しいと思われる新技術の普及もあって、対処の難しさを増すばかりです。最近になって、各種のサポートツールが発表されてきましたが、それらの効果の評価が定まるには時間がかかると思いますし、ツールによる自動化はかなり難しいと言えるでしょう。

 とはいえ、この状況を逆に考えると、これからホームページの設計や開発に関わって行こうと言う方や、新しいアイディアを形にしようという方にとっては、Webアクセシビリティに関する正しい知識と、その具体的な実現の方法を習得することは大きな武器になります。Webアクセシビリティへの対応を求められながらも、旧来の仕事の進め方に囚われて苦心惨憺している開発現場を救い、同時に「情報弱者」を助けることで社会的な貢献が可能となるでしょう。また、この傾向は、ホームページだけではなく、ビジネスアプリケーションやケータイの画面のような、人々の仕事や日常におけるシステムとの接点、つまり、インターフェースの全てに、影響を与えつつあるようです。あなたが、ソフトウェア開発系の仕事を希望しているのでしたら、一度、アクセシビリティについて勉強してみませんか?

(第7回・了)

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