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July 24, 2008

BREW×Windowsが実現する前人未到のモバイルCTI(7/23)

Brewindows1_2
 今回は予告の通り「BREW×Windows」の解説と考察です。

 この「BREW×Windows」はKDDIが展示会ワイヤレスジャパン2008のブースに参考出品したもので、PCとBREWケータイに共通プラットフォームを搭載することで「Windows PCからau携帯電話の機能を使いこなす、新しいアプリケーションの形」が実現するとアナウンスされています。具体的にはPCとBREWケータイがBlueToothで通信し、BREW上の共通プラットフォームにおいて動作するアプリと、Windows上の共通プラットフォームにおいて動作するアプリが連携できるというテクノロジです。今回の参考出品のパネルでは、PC上のアプリがケータイのGPSを利用する仕掛けが示唆されていました。

 では、ここからが考察です。私はこの「BREW×Windows」が実現することは「前人未到のモバイルCTI」=「真のCTI」だと考えています。CTIはComputer Telephone Integraitonの略で、コンピュータ機能と電話機能の統合を意味します。CTIはビジネスフォンの世界では実用化が進んでおり、自動FAX送信のような単純なものから、営業系システムにおける顧客データの活用などまで、多くのソリューションが実現しています。

 例えば、最新のCTIシステムでは、テレフォンセンターに顧客から電話が入った場合、オペレータの電話がつながると同時に机上のPCに顧客データを表示することができます。これは電話のダイヤルディスプレイ機能で得た電話番号でデータベースを高速検索する仕掛けです。オペレータが「いつもありがとうございます。○○商店です」としゃべっている間に画面にはその顧客の名前、住所、営業担当者、過去の購入歴、クレームの有無などが表示され「□□様ですね、いつもありがとうございます。先日お買い求めくださいました△△はいかがでしたでしょうか」「□□様ですね、先日は申し訳ありませんでした」などと、顧客のパーソナリティにマッチした対応ができるわけです。

 しかし、これまでのCTIシステムのソリューションは固定電話が対象であり、コンピュータ側のアプリの能力に頼るものでした。これに対してケータイCTIではケータイ側にアプリがあり、しかも、バーコードリーダにもなるカメラ、GPS、赤外線通信、磁気コンパス、ワンセグを含むテレビ・ラジオ、FMトランスミッターなど多彩な機能が搭載されています。これらとPCを連携させれば「前人未到のモバイルCTI」ができ、そして、これこそがコンピュータと電話が対等に連携する「真のCTI」ではないかと私は考えます。

 では、いくつかのソリューションを想定してみましょう。

【PCオンデマンド通話】
PC上でメールなどに書かれた電話番号をクリックすると、ケータイが即座にダイヤルしてくれる。

【モバイルFAX】
PC上のワープロなどで、プリンタ出力の代わりにケータイアプリを指定するとケータイが相手先のFAXと通話して接続し、PCからBluetoothで送られるデータを相手のFAXに出力する。音声切替が必要なFAXの場合にも対応可能。

【モバイルテレフォンセンタ】
顧客と通話中にPCを開くと、自動的に連携が行われてPCの画面上に顧客情報が表示される。また、ケータイのGPSアプリからPCに現在地や交通の情報が送られて、顧客までの地図や所要時間などの情報がPCに表示される。

【ケータイ動画ストリーミング】
ケータイで撮影中の動画をPCにストリーミングし、PCのハードディスクや搭載したDVDレコーダに記録できる。PC側のパワフルなCPUやグラフィックアクセラレーションにより、クリアに補正された動画が保存可能。

【ケータイがゲームコントローラ】
ケータイがPCゲームや体感ソフトのワイヤレスコントローラになる。ケータイの傾きやGPSによる位置情報、ケータイカメラに写っている画像や周囲の音などがPCゲームや体感ソフトに反映する。

 以上、実現しやすいものと難しいものがありますが、どれもなんらかのニーズを掘り起こしたり、他のソリューションのヒントになるのではないかと思います(一部はすでに実現または試作されているかもしれません)。
 なお、BluetoothケータイによるPCとの連携については、4年前のワイヤレスジャパンにおいて、東芝ブースでいくつかの参考出品があり、このブログでも紹介しました(July 29, 2004 東芝によるBluetoothケータイの新アイディア ~ ワイヤレスジャパンにて)。例えば「ケータイとの距離によるPCの自動ロック」という機能は、今まさに必要とされていると思います。
 ケータイ、PC双方の能力が格段に進歩し、両方のバッテリー容量が増え続けていますので、数年前は「こりゃダメかな」と思われたアイディアを見直す時期なのかもしれません。Brewがそんな楽しい役割を担うことを期待しています。


【for Beginner】BREWとは何か? [ http://bizmakoto.jp/bizmobile/articles/0508/09/news108.html ]

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Comments

なるほど、BlueToothを使ったPCとの連携、面白い事が色々出来そうですね。
特に想定で上げられている【ケータイ動画ストリーミング】は気になります。
Webカメラの代わりとして使用し、ライブストリーミングが即座に出来るシステムがあれば面白い事になりそうですね。

ただ少し気になるのがBrewならではなのか?という所です。
海外のようにスマートフォンが日本でも普及した場合、
モバイルWindowsなどのOSが主流になりPCとの連携が更に簡単になってしまうのでは?と。
何というかBrewだからこそ。
携帯のシステム中枢、メインフレームまで近づけるBrewだからこそ。
というのを期待してしまいます。
しかも、一般のお客さんが分かり易いカタチで。

後ろにはアンドロイドも控えている事ですし。

Posted by: Yokoox | July 24, 2008 at 12:54 PM

今回もコメントをありがとうございます。

お書きの通り「BREWならでは」という要素は、拙著「ケータイビジネスを革新する技術 BREW」の頃に比べると説明しづらくなっていると思います。
特にトラステッドiアプリ(iアプリDX)が登場して以降は、チップ数当たりの動作速度を除くと、差が無くなってきているのは否定できません。
しかも「一般のお客さんが分かり易いカタチ」となると難問ですね。

BlueToothを使ったPCとの連携については、もういくつか(まとまりきれていない)アイディアがありますので、今後の課題とさせてください。

Posted by: HIRANO a.k.a RunDog.mau | July 25, 2008 at 02:27 AM

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