「応用情報技術者試験合格テキスト 2012年版 (LICENCE BOOKS)」発売
2011年12月「応用情報技術者試験合格テキスト 2012年版」を執筆し、オーム社のLICENCE BOOKSシリーズとして発売しました。
本書は、応用情報技術者試験(以下、応用情報)の合格のために必要な知識とスキルを1冊の書籍に網羅し、読者の皆さんの受験対策に貢献するものです。本書の最大の特徴は、
にあります。
応用情報はその前身と言われているソフトウェア開発技術者試験とは、大きく異なる試験です。情報処理技術者試験センター(JITEC)が試験要綱やシラバスで述べているとおり、ITスキル標準(ITSS)に則り、ITパスポート試験をレベル1、基本情報をレベル2とした階層のレベル3に位置し、ITに関わる全ての人を対象としているからです。そのため、理論上は、基本情報の合格者全員が「次に目指す資格」であり、ITパスポート試験の合格者全員が「次の次に目指す資格」になっています。ですから、対象範囲が限定されていたソフトウェア開発技術者試験とは位置づけが大きく異なるわけです。
そこで本書では、ベースとして、ソフトウェア開発技術者試験向けの講座や資料などを一切用いないことにしました。よって、本書は応用情報のためだけに全く新たに書き下ろしたものになっています。そして、ソフトウェア開発技術者試験については、過去に出題された問題の一部のみをどうしても必要な個所に限って引用しています。
さて、これは、ソフトウェア開発技術者試験の前身といわれている第一種情報処理技術者試験の頃から言われていたことですが、応用情報のレベルの試験は下位試験の合格を経ずに受験して合格することは非常に難しい試験群です。にもかかわらず、特に、プライドの高い技術者を中心に、このレベルの試験の一発合格を狙う無謀な挑戦が相次ぎ、結果的に何度受験しても合格が得られなかったという話を聞いたことが複数回あります。そこで私は、システムエンジニアだった頃も、講師になってからも「とにかく、まず基本情報に合格してから」と言い続けてきました。しかし、確かに「基本情報合格と同等」のスキルをお持ちの方がいるのも事実ですし、反対に、基本情報合格から時間が経っている方や、平成20年(2008年)の制度変更前に合格した方、合格点ギリギリだった方が、応用情報で苦戦していることもあるようです。
そこで本書は、これらの立場やスキルの異なる皆さんが活用できるように、応用情報の全出題範囲について、どこまでが基本情報の出題範囲かを明示することにしました。そして「基本情報までで問われる用語・知識の確認」として囲んで一目でわかるようにし、文頭にチェックボックスを付けてあります。下記のような活用モデルで利用していただけたらと思います。
もしも、チェックできなかった項目が半分以上ある場合は、現在「基本情報合格者のレベルに達していない」ことを意味します。基本情報合格済の方は基本情報の試験範囲を徹底復習してから応用情報の勉強に取り掛からないと、合格は難しいでしょう。そして、基本情報に合格せずに応用情報に挑戦する方でしたら、これは赤信号です。受験計画を全面的に見直すこと(=まず、基本情報に合格すること)を強くお勧めします。
なお、実際の試験問題では、応用情報で基本情報の範囲が出題されますし、基本情報で応用情報の範囲の用語が出題されたこともあります。あくまでもシラバスを用いた範囲分けになっていることをご理解ください。
本書は試験対策を主としているため、過去問題およびその解説の掲載は最小限に留めてあります。しかし、基本情報との最大の違いである、午後問題における筆記解答でつまづかないように、午後問題の出題範囲ごとに各1 問を掲載し、加えて、いくつかの章末に「記述問題対策」を用意しました。必ず、実際に字で(漢字の語句は必ず漢字で)書いてチャレンジしておくことを強くお勧めします。なお、午前問題については掲載する問題数を絞る代わりに、欄外に「短問でチェック」として短縮したアレンジ問題(一部は出題のまま)を置いてあります。知識の確認や整理にご利用ください。
上の画像をご覧のとおり、本書は応用情報向け書籍では珍しい黒を基調とした装丁になっています。「応用の黒本」として親しんでもらえたら嬉しいです。
購入は下記か右サイドバーからアマゾンでどうぞ。
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